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【沖神】

2009年03月17日 14:00

3Z沖神で卒業式ネタ。
最近こればっかでごめんなさい・・・。
++++++


オレンジ色に染まる教室。
ここは3年Z組。
今日、銀魂高校は卒業式があった。
卒業出来るか不安だった生徒も、何とか壇上に上がれた。
式中にはたくさんの生徒が泣いた。
高校での思い出が一気に甦ってきたのだろう。
しかし、それが終わった後は打って変わって、皆笑顔だった。
生徒全員で写真を撮りあったり、寄せ書きを書きあったり。

そして放課後。
Z組にはある少女が自分の椅子に腰をかけていた。
握り締められている手を膝に置いて、ただ俯いて。
しん、と何か1つでも物音がしたら、壊れてしまいそうな教室内。
そんな中で、1人の少女、神楽がポツンと。
卒業式はもうとっくに終わったというのに、未だにグスグスと泣き止まない神楽。
神楽はゆっくりと立ち上がって、窓の方へと足を進めた。
「ここで見るこの景色も、今日で最後ネ」
窓に手を当てて神楽。
目の奥にまで焼き付けようと、神楽はじっとオレンジの空を見続けた。
色白の肌がオレンジに染められてる。
涙を我慢して、神楽は無理やり笑った。
「下校時間、過ぎてるぜィ」
ハッと神楽が振り返ると、前方の扉に背中を預けて腕を組む総悟の姿。
すると総悟は、何やってるんでィ?、と近づいてきた。
「・・・外、見てたアル」
「そうかィ」
それ以上何も続かない。す、と訪れる静寂。
「・・・ッ今日でお前ともお別れアルナ・・・せ、せいせいするアル!」
「奇遇だなァ、俺もでィ」
どうしても後が出てこない。空が、オレンジから紫へと顔色を変え始める。
総悟は神楽の隣に行き、先ほどの神楽の様に外を眺めた。
はァ、と総悟の短いため息。総悟は意を決した様子で口を開いた。
「廊下に出たら、振り返らずに帰らねェかい?俺ァまっすぐ玄関にいかねェ」
神楽とは目を合わせずに。
意味が分からない風な神楽はただ首を傾げるだけ。
いいから、と総悟は神楽の腕を引っ張った。
「ちょ、何、何がしたいアルカ!?」
「最後の思い出」
総悟が言い終わる前に2人は廊下に出ていた。
「ワタシは左、お前は右アルカ」
「そうでィ」
いいながら、2人はお互いに背を向ける。
一瞬の静けさの後。

「「せーのッ」」
2人の声が重なって。一緒に2人の足音も重なって。
ペタペタと小さな子供が歩いているかのような足音と、ズボンの裾を引きずる音がする足音。
やがて、互いの足音は小さくなっていく。
誰もいない学校で、妙に響くそれ。

す、す、す、

神楽が立ち止まらず、振り返らず歩いていると、急に聞こえ出した足音。
それはだんだんと近づいているように感じられた。

す、す、す、

しかも足音と一緒にズボンを引きずる音もする。
そして。

神楽の背後から手がのびて、それは腰にまわされた。
ビクッと飛び上がる神楽。
次の瞬間には神楽の耳元に頭が見えた。
「・・・そ、総悟?」
恐る恐る、神楽。
総悟の胸と神楽の背中がくっ付いて、抱きしめられる形になる。
「ふ、振り向くなって言ったのお前アル、振り向いてんじゃねェぞコラァ」
そうは言うものの、神楽の体も自然と反対の方向へと向く。
神楽は総悟を見た。その赤い瞳は潤んで見えたがすぐに細められた。

互いに背中に手をまわして。
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