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【7月8日】

2009年06月08日 23:13

沖田総悟誕生日特別小説2008。
ミツバさんが亡くなった日が、総悟の誕生日だったという捏造品。
++++++



ミツバが亡くなった日。その日は奇しくも総悟の誕生日であった。

「あなたはあたしの自慢の、弟、よ」

そう言ってゆっくりと目をとじたミツバ。
どれだけ涙を流したかなんて、沖田自身も分からない。

そして、あの日から1年という長くて短い月日が過ぎた。


●○●○●○●


「総悟、起きろ」
いつもの朝。珍しく起きてこない沖田を土方が起こしにきた。
土方の死体を数える沖田の目がひらく。沖田の目に映ったのは、抜刀している土方の姿。
「おはようございやす、土方さん・・・そして永遠にさようなら」
「どういう意味だ、コラァ!」
土方が斬りかかる所を、寝ぼけ眼の沖田はギリギリでかわした。
「副長ー!」
するとどたばたと縁側の方から足音が聞こえてきた。土方が振り返り、そして沖田は身を起こした。
「買ってきましたよっ」
足音の主は山崎だった。手には色鮮やかな様々な花束が持たれている。
沖田がキョトンとする中で、土方は小さく、ありがとな、と礼を言う。
「総悟、トシ、準備は出来たか?」
次に現れたのは局長の近藤勲。沖田がまだ寝起きなのを見て、目を見開く。
「総悟っ!?早く準備しろ」
「近藤さん、どういう事ですかィ?」
沖田が質問しつつ着替える中、近藤は溜息を吐いた。
「忘れるはずがなかろう・・・今日は・・・」

「ミツバの一周忌だよ」

近藤が言う前に土方が口を挟んだ。沖田の着替える手が止まる。
「・・・そうですかィ、あれから1年経っちまいやしたか」
沖田が俯き加減に言った。
「今日は、ミツバさんのお墓参りですよ、隊長」
山崎が優しく微笑む。それを沖田は少しだけ見て、山崎の横を通りすがる。
と、同時に山崎の腕の中に収まっていた花束を奪った。
「さっさと行きやしょう、姉上が待ってますぜィ?」
先頭をきった沖田を、土方達は慌てて追いかけた。


●○●○●○●


ジメジメした7月上旬。休暇をとった4人は墓までの坂道を上る。
先頭は相変わらず沖田だった。その後ろに近藤、土方、山崎と続く。

やがて盆地が見えてきた。すぐにミツバの墓を見つけたであろう沖田が、小走りにミツバの墓前に行く。
「姉上、来ましたよ」
墓前の前でそう呟くと、近藤達も到着。すでに水いっぱいのバケツや柄杓などを持っていた。
「ミツバ・・・」
言ったのは土方である。沖田はそれに気付き、少し冷めた眼差しで見つめる。

“姉上が最期まで愛した人”

沖田は土方に良いイメージをもてていない。そんな事を沖田は思い、墓周りの掃除をし始めた。

「ミツバさん、今日は総悟の誕生日ですよ」
「!?」
近藤の言葉に沖田の肩が飛び上がった。そうだ、今日俺の誕生日だと思うわけである。
墓前の前でただただ俯く沖田の肩に、近藤は手を置く。
「祝ってやってください」
シンと静かになる。何故だかミツバが近くにいる気がした。

「そーちゃん、誕生日、近くで祝えなくてごめんね」
「っ姉上!?」
沖田の叫びに似た声に、誰もが注目する。
「誕生日おめでとう、そーちゃん」
1年ぶりに、そーちゃん、と呼ばれて沖田の目から自然と涙が零れだす。
「ありがとうございやす・・・姉、上」
沖田も1年ぶりに姉上と口にする。泣くのを我慢すると我慢するほど止まらなくなってしまう。
「いつも笑っていて、笑顔をあたしに見せてちょうだい」
頷いた沖田だったが、ミツバの声を聞くたんび涙が零れる。それ以来、ミツバの声は聞こえなくなった。

「泣くんじゃねぇよ、馬鹿」
土方に頭を撫でられる。
「ミツバはそんな事望んじゃいねー、いつも笑ってろ」
「・・・・ック」
ミツバと同じ事を言った土方は最後に沖田の頭を軽く叩いた。よし、とここで声をあげたのは山崎。
「沖田隊長の誕生日祝いましょっ!ミツバさんも祝ってくれてますよ!」
「そうだな、ザキ・・・屯所で小さく盛り上がるとするか」
これには近藤も大賛成。土方も何も言わない。
ほら、と近藤に背中を押され、前に歩き出す沖田。沖田は小さく微笑んで空を仰いだ。

「姉上、俺ちゃんと笑えてますかィ?来年も笑顔で今日を迎えますから、姉上も笑っていてくださいね」
そう言って、沖田はまた先頭を歩き始めた。
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