スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【万事屋】

2009年09月20日 23:25

短編小説2008。
もしもシリーズで銀神。
++++++


銀ちゃん、知ってるアルカ?
ワタシ前にも一回地球に来た事アルネ。


●○●○●○●


少女は始めて来る異国の地で迷子になっていた。
場所は地球の江戸、という町である。
江戸はその頃、戦争が終わった直後であり、ようやく江戸らしい活気を取り戻しつつあった。

少女は父と兄を捜していた。
今までにない位歩き続けた。やがて見つからなくて焦り走り出した。
その直後。

ドンッと誰かの足にぶつかった。少女は小さく声をあげしりもちをついた。
「おい、大丈夫か?」
上から手がのびる。見上げてみれば、太陽でキラキラ光る銀髪が見えた。
「あ、あ・・・」
「何お前、まさか迷子?」
その男は少女の小さな手を握ると、立ち上がらせた。そして服についた砂埃をはらう。
少女が大きく頷くと、男は笑ってみせた。
「んじゃあ、この万事屋銀ちゃんが何とかしてやらぁ!」
「ぎ、ぎん?」
聞き返した時はもう銀時という男に、腕を引っ張られていた。

「ワタシ神楽いうネ!」
少女は自分を指差して笑顔で言ってみせる。
「じゃあ神楽ちゃん?家族と最後に会った場所言ってみろー」
少しだけ少女の銀時の腕を握る力が強まる。
さっきの笑顔が嘘のように、少女の表情は曇っていた。
「あー、分かんねぇかぁ・・・」
弱ったなぁ、と銀時は呟く。

歩く事30分。少女は銀時の腰にささる木刀に気付いた。
「刀は斬るものアル、危ないヨ」
銀時は立ち止まった少女を見据えた。しばらく黙って銀時は鼻で笑う。
「大丈夫、木刀っつったって所詮木だ」
すると銀時は少女の前にしゃがみ込んだ。
「俺は人を傷つける事を止めた、でもそれでもやっぱり自分の身は護らなきゃいけねぇ、で、木刀を握ってるわけだ」
銀時は少女の頭を不器用に撫でて続ける。
「もう誰も傷つけない、大丈夫だからね」
少女は眉間に皺をよせて首を傾げた。

その時である。

『神楽ちゃーん!』
「パピー!!」
少女は今までで最高の笑顔を見せ、声のするほうを向いた。
銀時も目をやると、手を振る父親らしき人物が見えた。
少女は、一歩足を前に出すと、思い出したように振り返った。
「あ、銀・・・ちゃん?」
「ん?」
神楽は銀時の足に抱き着いた。
「ありがとう!バイバイアル!!」
銀時が声を出そうとした時には、少女は姿を消していた。

「あ、依頼料貰うの忘れた・・・」
銀時は言ってすぐに頭を横に振った。
「また会えたら、でいいか」
銀時は腰に手をあて、笑顔で去って行った少女の方を見て微笑んだ。


●○●○●○●


互いが2度目に会った時。つまり、銀時が神楽をスクーターで轢いてしまった時。
2人は名前に覚えがあった。
「か、神楽?」
「銀・・・ちゃん、銀ちゃん?」

あの時の事は、これからも思い出される事はない。
スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://g1010k1103.blog71.fc2.com/tb.php/164-63ec701d
    この記事へのトラックバック