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【攘夷】

2009年09月20日 23:40

短編小説2008。
もしもシリーズでお妙と白夜叉。
おい、この2人何歳設定だ?
++++++


攘夷戦争が終わった直後。江戸の町は閑散としていた。
見た目は白黒で、墨汁で描かれた絵のよう。
人々はほとんど死に、逃げた人々も病に倒れた。

そんな中の雨。静かな江戸に降り注ぐ。

そこに一人の少女。お気に入りなのか、ウサギ柄の傘をさしている。
たまたま戦争で生き残った一人だ。

少女は驚いた。数年前まで活気溢れていたあの江戸が、こんな姿になっているとは。
まるで、映画に出てくる荒野のようだ。
「?」
そして少女は見た。ある一人の男を。
真っ白の着物に真っ赤な血。髪の毛は銀色。

この人。戦場に立つ銀髪の男。その姿は白き夜叉。

「白夜叉・・・さん?」
「!?」
男はその言葉に反応して振り向いた。その目は真っ赤で血に飢えた狼のようだった。
「何お前・・・」
低い声で質問する白夜叉と呼ばれた男。
「戦争終わったから、逃げてきた!」
少女はニコリと微笑んだ。それを見た白夜叉は一瞬顔をしかめ、
「おめぇ・・・俺が怖くないのか?」
「え?」
純粋な質問に少女は終始戸惑う。
「怖くなんかないわ、だって戦争に勝ってきた英雄さんじゃない!」
そしてまた笑う。
「雨冷たいでしょ?」
少女はそう言って、ウサギ柄の傘を差し出した。
「いらねぇ・・・こっから立ち去れ。まだここは危ない。攘夷志士を狙ってる輩が出回ってるからな」
そう優しく言った白夜叉だが、右手はしっかりと刀を握られている。
「駄目」
「?」
次に戸惑うのは白夜叉のほうだった。
「刀なんて握っちゃ駄目、もう終わったんだから・・・捨てなくちゃ」
刀を握る右手の上から少女は白夜叉の手を握った。
その手はやけに暖かく、しかし血に染められていた。
「まだ、終わっちゃいねぇ。まだ俺はコイツで自分を守らなきゃいけねぇ」
ほら、行きなと白夜叉。
「家族・・・いるか?」
「弟が一人と、父上が帰ってくるはずなの!今弟が待ってる」
嬉しそうに少女は言った。
「だったら、早く行きな。父さん待ってるかもしれねぇぜ?」
いつの間にかその男の目は優しく細められていた。

「じゃあ、この傘は使ってね、じゃあ!」
少女は白夜叉に無理矢理傘を握らせると、雨を両手で避けながら走っていった。
「フン・・・いつか返してやるよ」



********



『アレ?何この傘、』
銀時が玄関を出ようとした時、壁に立てかけられたウサギ柄の傘に気付く。
『新八の姉ちゃん・・・・には随分前に返したよな?』
自分の問に自分で答えてみる。
直後、がらりと扉が開く。そこには志村妙の姿があった。
『あら、それ・・・』
銀時に話しかける前に傘に気付く。
『それ、何年か前になくした私の傘じゃねぇかぁ!!!』
妙の右手が銀時のあごに直撃した。
『え、ちょ、待って!?なんで殴った今?』
殴られたあごから血を滴らせ銀時がうなるように言う。

お互い、あの頃の事なんて覚えていない。
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