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【銀神】

2009年10月23日 23:18

投票数が一番多かったと思われる銀神^ω^
今日テストが終わったんで、更新率上がるかも?

別館*スノースマイル
++++++


母が病気になるよ、ただでさえ仕事で忙しい父がより忙しくなった。
父が忙しくなると、家に帰る回数が減った。
そしたら、突然父の腕を奪った兄が家を出て行った。
そうしていると、母が死んで・・・。

一人になった。

「ッ!!」
夜中。神楽は目が覚めて何かに弾かれたように上半身だけを起こした。
最近、こんな夢ばかりで嫌になる。
汗でベタベタな額を掌にのせると、神楽は疲れたように深い溜息を吐いた。
「・・・嫌な夢ネ」
そう小さく呟くと、壁に背中を預けて目を瞑った。

別に一人でも大丈夫だった。神楽は己を強い子だと信じていた。
だが、それは己が自身についた嘘だったのかもしれない。
父や母にはよく謝られた。
「心配させてごめんね」とか「心配するな、すぐ戻る」とか、今にも泣きそうな笑顔で。
そのたんびに、神楽は笑った。「大丈夫アル!」と。
父や母を安心させる為に。自身の心の痛みを押さえ付ける為に。
兄の事はよく分からない。
物心がついた頃には、神楽にとって"恐い存在”になっていた事は確かだが。
病気がちの母。なかなか帰らない父。そして恐い兄。
そんな家族が一気に崩れてなくなった。神楽は一人になったのだ。

キリキリと頭が痛む。
神楽は押入れの中で頭を抱えて苦しんでいた。
毎回の事だ。家族の嫌な夢を見た後、現実でも嫌な記憶が甦ってくる。
ふと神楽は顔を洗う事を思いついた。
汗でベタベタの顔をどうにかしよう、と。頭を冷やそう、と。


●○●○●○●○●


洗面器に水は音もなく弾かれ、静かに流れていく。
その光景をしばらく眺めた後、神楽はそれを手にすくい、乱暴に己の顔をバシャバシャと濡らした。
顔を上げて鏡を見てみれば、顎から水を滴らせている己がうつる。
そこで神楽は目を見開いた。
自分の背後に血塗れになって笑う兄の姿があった。
「ヒッ!」
小さく悲鳴をあげて、神楽は洗面器の淵を掴んだままの状態でその場にしゃがみ込んだ。
腕と腕の間に頭を埋めるようにして、ただ自分の息が整うのと、兄の姿が消えるのを待った。
心臓がものすごい速さで動いている。誰かに鷲掴みされた気分。
そろそろか、と神楽が背後を確認しようとした瞬間。
「・・・神楽?」
「ッ!?」
神楽は再び悲鳴をあげそうになり、頑張ってそれを飲み込んだ。
聞き覚えのある、どこか安心できる声だったからだ。
ゆっくりと声のした方へと顔を上げる。
「・・・銀ちゃん・・・」
そこには眠そうに目を擦り、壁に手をつく銀時が立っている。
「何やってんの、こんな夜中に」
目ェ覚めちゃったよ、と銀時。
神楽は安堵し、銀時に縋るようにして抱きしめた。
「うおわ!?何何、何があった?」
「・・・恐い夢見たから、顔洗いに来たネ、」
その後の説明を、神楽は声を震わせながらも銀時に言った。
言い終えると、銀時はそうかそうか、と囁いて神楽の頭を優しく撫でた。
この感覚はどこかで感じた事があった。
神楽は銀時の胸の中でしばし考え、やがて思い出す。
『昔、パピーにも頭良く撫でられてたアル・・・』
神楽はどこか懐かしい気持ちになり、一層強く銀時を抱きしめた。


●○●○●○●○●


あれから、銀時が気付いた時、神楽は銀時の胸の中で寝息をたてていた。
「ッたく、しょうがねェ奴だな・・・」
そう言うと、銀時はそっと神楽の膝の裏と背中に腕をいれて抱き上げた。
居間に戻る途中、神楽の寝言に銀時は驚く事になる。
「・・・・パピー・・・・、」
「んあ?あのハゲと一緒にすんな」
銀時は一瞬嫌そうに眉をしかめたが、次の時には口元が緩んでいた。
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