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【沖神】

2009年11月29日 23:00

3z沖神
++++++


どうしてこんなに寒いのだろう、神楽は思う訳である。
12月初旬。本格的に冬という季節になったのだが、
今寒いと言っていたら1月2月は死んでしまうのではないだろうか、神楽はそうも思う。
学校の玄関を開ければ、すぐに暖かい空気を感じた。
足元にはストーブ、そして天上にはエアコンが完備されている。
神楽は無駄に入れた体の力を抜くと、短く息を吐いた。
下駄箱から乱暴に上履きを放り出し、それを履こうと神楽はしゃがみ込んだ。
するとだ。ヒヤッとするものを頬に感じ、神楽は思わず飛び上がった。
声も上げられず上を見上げると、ニヤリと笑う沖田の姿。
「氷・・・冷たいですかィ?」
「あ、当たり前アル!馬鹿じゃないアルカ!?」
叫ぶように神楽が言うと、沖田はケラケラ笑いながら氷を口に入れてポケットに手を突っ込み去って行った。
本当馬鹿アル、と小さく悪態をついた神楽を、廊下で見ていたのは銀八であった。


●○●○●○●○●


暖房器具があるからって、寒い時は寒いのである。
窓側の一番後ろの席に居る神楽が、それを一番体感しているはずだ。
沖田の悪戯に神楽は不機嫌な様子で、机に突っ伏していた。
とうの沖田はというと、反省の色見せずに土方の携帯を弄りながら何故だが笑っている。
その様子が神楽には気に食わない。
いつだってそうだ。神楽がどんなに嫌がったって沖田は笑って謝りもしない。
謝ってほしい、という事ではないが、少しは反省してもらいたいものである。

結局その日一日、沖田に振り回されっぱなしの神楽なのであった。


●○●○●○●○●


帰りのHRも終わり、神楽は無言で席を立った。
ブスッと口を尖らせて歩いていると、後ろから肩を叩かれた。
何だ?と思って振り返ってみれば、誰かの人差し指が頬にささる。
言わずもがなだが、その人差し指は沖田のそれだ。
「もう!何アルカ!今日一日!」
「こういう可愛い悪戯は今日に始まった事じゃないですぜィ?少しは慣れたらどうですかィ?」
「慣れてたまるアルカ!!」
ウギーッと顔をつき合わせて睨み合う二人。

「はーい、そこまでー」

沖田の背後からヤル気の無い声が聞こえた。
ほぼ同時に二人は声のした方へ目を向ける。
そこには、コートのポケットに手を突っ込み、赤いマフラーを首に巻いた銀八であった。

「へェ、先生の白衣以外の格好初めて見ましたぜィ」
「さすがに寒くてよォ・・・ってそうじゃなくて」
テメェ等の話しにきたんだよ、と銀八。
銀八はそのまま話を続ける。
「お前等本当毎日のように口喧嘩してるよなァ・・・先生はもうキレる寸前です!
で、良い事思いついたんだけどよ」
おい、俺に背中向けろ、と銀八が言う。
二人はよく言ってる事を理解していないようでただただ首を傾げるばかり。
すると、銀八に両腕を掴まれ、無理矢理後ろを向く状態にさせられた。
「これで仲良くしなさい」
妙に優しい口調で言ったかと思えば、目の前にマフラーが見えた。
フワリと二人の首に巻かれたと思えば、マフラーの両端が二人の肩にのる。
「「!?」」
二人は巻き方の異変に気付いた。
「ちょ、待ちなせェ!銀八ッ」
「先生をつけろ、ドアホ」
「早くこれを解くヨロシ!」
「あーあー、あんま暴れない方がいいぜ?それ、解こうとすればするほどきつく絞まるから」
銀八マル秘結び、と銀八は口元に人差し指を置いて言ってみせた。

「じゃあ、そういう事だから気をつけて帰れよ」
「「あ!」」
気付いた時にはすでに銀八は、職員室へと姿を消していた。


●○●○●○●○●


「屈辱アル・・・」
「本当でさァ、あのヤロー明日どうなっても知りませんぜ?」
お互いそっぽを向きながら、仕方なしに帰り道を歩く。
何も喋らずただ無言で歩く二人。
しかし、この言葉は嫌でも出てしまうようだ。
「寒い、ネ」
神楽は言いながら、白い手に白い息をかけている。
沖田はポケットに手を入れたまま、何も言わない。

ふと神楽の目の前に白いものが落ちていく。
その数はだんだんと増え、次第にそれが何か分かった。
「雪アル・・・雪アルヨ!」
「・・・本当ですねィ・・・雪でさァ」
道の真ん中で二人は立ち止まり、空を眺めた。
真っ暗な空から降ってくる白い雪。それはとても綺麗なもので目を奪われた。
しかし、目を奪われているのは神楽だけのようである。
沖田の視線は神楽にあった。
沖田は少し俯くと、何かを決心したように再び顔を上げた。

「・・・ッわ、ビックリした・・・何アルカ急に」
神楽は一旦空から目をはなし、沖田を見やる。
沖田は俯いたまま何も言わなかったが、手を握る強さが増した。
「・・・寒いんだろィ」
は、早く帰ろうぜィ、と沖田は神楽の手を引っ張る。
神楽は少しだけ笑った後言う。
「お前、顔真っ赤アルヨ?」
「さ、寒いからでさァ!」
乱暴に、沖田。

神楽は再び立ち止まると沖田に、こっち向くヨロシと声をかけた。
「な、何でィ・・・・ッ」
振り向いたとほぼ同時に、神楽は沖田の頬に軽いキスをした。
「おかしいアルネ、寒いからってしたのに、余計赤くなったアルヨ?」
「うるせィ!」
何だか負けた気がする沖田なのであった。


●○●○●○●○●


「お前の手、暖かいアルナ」
「そりゃ、一緒に居ると寒さがなくなる気がするからでさァ」
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